優勝候補、霞ケ浦を相手に奮闘した石岡一のエース・岩本大地＝２２日午前、ノーブルホームスタジアム水戸（永井大輔撮影）

　川井政平監督の熱いオファーを受け石岡一を進学先に選んだ。

　今春の選抜や春季県大会での敗北を「エースなのにチームを引っ張れなかった」と悔いる。失敗をバネに「夏は完投でチームを引っ張る」と強い気持ちで臨んだ。

　優勝候補の霞ケ浦との対戦でもその思いは揺らがなかった。「逃げたら負け」「気持ちは熱く、頭は冷静に」。プロ注目の鈴木寛人投手ら２人のエースを相手に一歩も引かない投球を見せた。

　しかし、延長十回、激戦の末に暴投でランナーの生還を許してしまった。万事休す－。くしくも春の選抜と同じ、失策での延長サヨナラ負けだった。

　「もう少し違う終わり方をさせてあげたかった」

　川井監督は涙目で何度もつぶやいた。「彼は３年間で大きく成長した。石岡一に来てくれてありがとうと伝えたい」とも。岩本自身も「監督にはたくさん怒られたが、３年間ここで野球ができてよかった」と振り返る。

　夢はプロだ。茨城を湧かせた球児は涙を拭いて新たな目標へ歩み始める。（永井大輔）