◇高校野球茨城県大会3回戦▽石岡一9―3日立商(23日・ひたちなか市民球場) 昨春のセンバツに21世紀枠で出場した石岡一が日立商を破り、ベスト16に駒を進めた。昨春は聖地で2年生ながら3、4番を担った塚本圭一郎二塁手と飯岡大政三塁手(ともに3年)がそれぞれ1回と8回に特大本塁打を放つ大活躍。昨秋から4番に座る塚本は「4番の仕事ができてよかった」と安どの表情を浮かべた。 捉えた白球は、ふりしきる雨の中、高く飛んでいった。両軍無得点の1回1死一、三塁。塚本はストレートを強振した。「県南(地区予選)ではふがいなくて。飯岡に(いいところを)持ってかれた」。19日の麻生戦で3ランを放った飯岡の活躍が、尻に火をつけた。チームを勢いづける先制の3ラン。初回から豪快な一発で主軸の力を見せつけた。 チームの主軸を担う塚本と飯岡は、グラウンドを離れても深い関係にあった。入学式で声をかけてくれたのが飯岡。「高校で初めてできた友達でした」。後に、2人はまさかの遠縁の親戚であることが発覚した。この日の朝には父・秀伸さんから「飯岡には負けるな」とハッパをかけられるほど、家族間の意識も強くなった。飯岡も負けじと8回にダメ押しの2ラン。2人の競争は加速するばかりだ。 一戦必勝を掲げるが、目の敵とするのは昨夏王者。「3年連続で負けている。霞ケ浦を倒したい」と闘争心をあらわにした。次に白星を挙げると、準々決勝で大敵と当たる可能性がある。遠縁の親戚関係にある3、4番コンビが宿敵との戦いに向け、バットでチームを引っ張る。
報知新聞社