・・高校野球マガジン ホームラン記事より・・

■投手力

最速147㌔の右腕・岩本がエース。昨春県大会以後のヒジの不安

から完全復活した秋は、公式戦28回2/3分を投げて奪三振36。

スライダー、カーブ、左右両打者にチェンジアップを投げ分け、

「真っすぐには伸びがありますし、コントロールも磨いています」

と川井監督も評価する。また、次チームのエース候補が2年の小松崎

だ。130㌔台中盤の直球と変化球を制球よく組み立て、水戸工戦

では9回途中まで無失点で切り抜けた。腰痛のため秋はメンバー外

だった矢口は左腕。夏の茨城大会では初戦、竜ケ崎一を7回無失点

の実績がある。右スリークオーターの岡崎は、カーブ、スライダー

で打ち取るのが持ち味だ。

■攻撃力

秋の段階では2年生が6人、左打ちが5人というスタメン。軸とな

るのは、四番を打った2年の飯岡だ。公式戦は全5試合と少なく、

打率はやや物足りなかったが4打点と勝負強い。五、六番の武田と

中山、八番の塚本はいずれも打率4割超。岩本も打力は高い。干場、

秋はベンチ外だった鈴木も伸びてきている。水戸工戦以外の4試合

で二ケタ安打を記録したが、「打力はまだまだ。打順も、秋とは変

わるかもしれません」と川井監督。その一案が、思い切りがよく足

もある武田を斬り込み隊長的な一番に、岩本を五番に置く打線。こ

れからの紅白戦などで、さまざまなパターンを試していく。

■守備力

5試合で4失策だが、茨城大会準決勝の藤代戦はバッテリーミスか

らの失点が目立った。ただ、捕手の中山は中学までは投手。むしろ

「半年でよく成長した」とは川井監督だ。その中山、ともにセンス

のいい二塁の塚本とショートの滑川、さらにセンターの古屋で形成

するセンターラインは無失策と堅い。不安があるとすれば一塁と三

塁の守備で、三塁の飯岡を一塁へ、三塁は一塁からコンバートの干

場、鈴木、守備力のいい友部らでポジションを争うことも。「内野

に関しては、まず止める確実性。自分のリズムじゃない打球に対し

て、どう足を使うかがまだまだです」とは、自身も現役時代、遊撃

手だった川井監督だ。

■総合力

川井監督が竜ケ崎一の2年生だった91年夏の甲子園。星稜(石川)

戦であの松井秀喜のホームランを目の当たりにした。「ライト中段。

ピンポン玉とはあのこと」。当時の恩師が持丸修一・現専大松戸監

督で、「持丸先生の投手力からの守りの野球、木内(幸男)先生(

常総学院元監督)の変幻自在さ。少年時代からすごいと思ってまし

たから、小技を駆使し、機を見て敏な采配が理想です」。前任の波

崎柳川時代、3年目の夏にベスト8。「すぐにでも甲子園」と高く

なりかけた鼻を折ってくれたのが、水戸商の故・橋本実元監督を加

えた同県の名将たちだ。自身が甲子園に出場したときの持丸監督と

いま、ほぼ同年代。どんな采配をみせるか。