・・毎日新聞3月10日付記事より・・
人間としての成長願い 川井政平監督(44)
竜ヶ崎一高1、2年時に夏の甲子園を経験したが、主将として臨んだ3年時は茨城大会
準決勝で涙をのんだ。「思うような結果が残せなかった甲子園への未練が強かった」。
そんな思いが指導者を志す出発点となった。
20代から指揮を執った波崎柳川では、2005年夏に茨城大会の決勝に進出し、大舞
台まであと一歩と迫った。だが、09年に赴任した石岡一では結果を残せず苦しんだ時
期もあった。「勝利を求め、練習に打ち込むことを考えていた」と振り返る。
次第に重視するようになったのは選手との距離感。選手個々との会話を大切にしながら
技術を教え、率先してグラウンドも整備する。「話しかけやすい」「自分のことを気に
掛けているのが伝わる」など選手の声にも信頼感が表れている。
「点と点が一つにつながり人生が続いていく。失敗を繰り返しながらも高校時代のその
一つを作ってほしい」。野球を通じて人間として成長することを願い、指導に熱を込める。
かわい・しょうへい
石岡市出身。竜ヶ崎一高ー国学院大。国語科教諭。
努力の大切さ伝えたい 林健一郎部長(44)
前任の牛久高では監督として14年夏の茨城大会でベスト8に導いた実績を持つ。昨年
度から石岡一に赴任し、現在は裏方としてチームを支える。1月にセンバツ出場が決ま
ってから愛用の手帳は取材やイベントなどの予定でびっしり。「グラウンドに出る時間
も減りました」と苦笑いする。
川井監督とは竜ヶ崎一高時代のチームメート。自身は三塁手で監督と三遊間を形成した。
3年間キャッチボールをした相手だけに、気心は知れている。
学生時代から研究熱心だった。自宅では毎年録画している甲子園の試合映像を視聴。20
年ほど前からは公式戦で審判員も務めている。「野球というスポーツを突き詰めたい」と
旺盛な探究心は尽きない。
「今後の人生で困難なことはたくさんある。それでも簡単に逃げ出すのではなく、良い
結果を信じて努力する姿勢の大切さを伝えたい」。センバツ出場で理想の指導者像も一層
鮮明になるだろう。
はやし・けんいちろう
取手市出身。竜ヶ崎一高ー筑波大。保健体育科教諭。
=おわり この企画は川崎健が担当しました