・・毎日新聞3月21日付記事より・・
チーム結束にも貢献 躍進の陰で献身的な働き
開幕が23日に迫ったセンバツに向け、胸を高鳴らせているのは選手ばかりではない。金子
さくらさん(2年)、阿部千夏さん(1年)、鈴木咲依さん(同)の女子マネジャー3人も
選手以上に夢舞台を心待ちにしている。
3人の存在を抜きにチームの躍進は語れない。精力的な仕事ぶりがそれを物語る。授業が終
わると選手の誰よりも早くグラウンドに到着。見学に訪れるOBらのため、バックネット裏の
簡易ベンチをきれいに拭きあげ、お茶を出してもてなす。中学時代はソフトボール部員だった
阿部さんは「周りへの目配りと心配りを大切にするようになった」と成長を自覚する。
一番の仕事が食事の準備。連日の厳しいトレーニングに耐えられる体作りのためにも、練習の
合間の「補食」は欠かせない。2升用の炊飯器を使って米を炊き上げ、食べ盛りの選手の胃袋
を満たすため、時には豚汁やカレーライスを作って振る舞う。中学時代から高校野球のマネジ
ャーに憧れていたという鈴木さんは「冬場は水が冷たいので、洗米は想像以上に大変だった」
としみじみ話す。仕事場はグラウンドにもある。練習中はノックをする川井政平監督(44)
の傍らに立ち、ボールを手渡す補助役を任されることも。練習試合ではスコアの記録も大事な
役目だ。小学生の頃から兄が所属していた少年野球チームの応援に駆け付けていた金子さんは
高校入学後にスコアの書き方を習得した。
苦労は多いが、3人は決して弱音を吐かず、笑顔を絶やさない。上級生の金子さんは入部当初
選手との間に距離感があったと振り返るが、「選手が悩みを打ち明けてくれるようになった」
と、心が通い合ってきたことを実感している。マネジャーとしてのやりがいを感じる時は「
選手から「ありがとう」と感謝された瞬間」と口をそろえる。
マネジャーにとっても甲子園は晴れ舞台。「選手が思いっきり活躍できるようにサポートした
い」(鈴木さん)、「マネジャーとして自分がその場(甲子園)を経験できるのがうれしい(
阿部さん)と気持ちを新たにしている。記録員として甲子園でベンチ入りする金子さんは「メ
ンバーから漏れた選手のためにも頑張りたい」と秘めた決意を語る。選手も3人の献身的な働
きに報いようと、結束を強めている。