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鹿島学園高校0020220107
石岡第一高等学校 0000001001
評(茨城新聞)
着実に好機を生かし、得点を重ねた鹿島学園が投打で石岡一を圧倒した。3回2死三塁から大塚と
平塚の連続適時二塁打で2点を先制。5回には羽鳥、高久、大塚の長短3連打で2点を加えると、
6、8回にも追加点を奪って突き放した。先発藪野は無四球と制球が安定し、最少失点に抑えた。
石岡一は先発植村が6失点と踏ん張れなかった。打線も2安打と振るわず、反撃は七回に鈴木が
放った右越え本塁打の1点にとどまった。
 石岡一、無念の終幕
  ズームアップ
石岡一の強みは、何よりも植村塁と鈴木翔太(ともに3年)の二枚看板だ。だからこそ、早く
得点が欲しかったが、その得点がとても遠かった。
春の大会は2回戦で顔を合わせ、その時は1-0で競り勝った。ただ、相手の絶対的エース藪野
哲也(同)を攻略したとは言い切れない勝利だった。
藪野攻略が絶対条件だったが、立ちはだかった。130㌔後半の直球と大きく曲がる120㌔台
のスライダー。テンポ良く投げ込まれ、攻守の要の松島拓也(同)は「分かっていても打てなかった」と振らされた。七回と九回を除き、3人で抑えられ、準決勝までの打率が上位から下位まで
4割打者が並ぶ強力打線は息を潜めた。
準決勝までの4試合でわずか1失点を誇った、頼みの投手陣も崩れた。今大会初先発の植村は「気持ちが空回りして力んでしまった」と六回途中までに8安打を浴び、6点を失った。救援した鈴木
も流れを引き寄せることはできなかった。
それでも、鈴木がバットで意地を見せた。6点差を追う七回、それまで振らされていた変化球を捉え、右翼席に運んだ。九回にも左前打を放った。結果的に、この2本だけが藪野から奪った安打だった。
この夏、初めて4強入りを果たし、チームの歴史を塗り替えた。だが、あと二つを記すページは白いまま残った。
鈴木は「甲子園に行くのが目標だった」と悔しさをにじませつつ、後輩たちが来夏以降にその目標を成し遂げることを信じ、球場を後にした。 (関口沙弥加)
       仲野、声張り上げ  三塁コーチャー
三塁側コーチャーボックスは石岡一の仲野慎司(3年)が任されたポジションだ。林健一郎監督
(46)が「的確な指示でチームを救ってくれる」と信頼を置く。
新チームになってすぐの練習で、ヘッドスライディングをした際に右肩をけがした。正月明けから全体練習に戻ったが、メンバーに入るのは厳しい状況だった。練習を離れていた期間は野球の勉強に励んだ。公認野球規則と審判員マニュアル、高校野球の手引の3点セットを持ち歩いた。春の大会から三塁コーチャーとしてベンチ入りした。
この日は腕を回す機会はなかったが、最後まで声を張り上げた。将来の夢はプロ野球の審判員。「選手として甲子園出場の夢はかなわなかったが、審判員としてあの土を踏みたい」。新たな夢に向かって歩き出した。